ハンド バッグこの日の本田のゴールは、ビッグマウスをトレードマークにしている男の有言実行の一撃だった。

　「ベルギーは評価だけは高い。でも歴史のある国ではない。いい勝負だと思いますよ」。試合前のこの発言は波紋を呼んだが、試合が終わってみれば本田のいうとおりだった。

　また、「ナメてるやつらを一人一人ぶっつぶしていくだけの話」ともこの欧州遠征中に話したことがある。鬼気迫る雰囲気を漂わせ、相手チームはもちろん、自分を取り囲むすべてに宣戦布告をしているかのような気迫でのキックオフだった。

　この日のスタンドには、２０を超える欧州ビッグクラブのスカウト陣も集結した。１月からイタリア１部の強豪ＡＣミランへの移籍が内定している本田に熱い視線が集まった。ライバルとなるインテルのスカウトも、本田のプレーを注視した。

　実は、ロシアでプレーを続けていた本田の欧州での評価は一進一退というのが本当のところ。２０１１年に右膝半月板の手術を受けてからは、左太ももの負傷、古傷でもある左足首痛と故障続き。「本来のプレーをするためには完璧なコンディションが必要」という条件付きの選手になっていた。

　しかし、今回の欧州遠征２試合での本田の活躍は、ビッグクラブのスカウト陣をうならせるに十分だっただろう。